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  • ◆これは大丈夫です、うつりません♪
    悠久の昔、動物から病気がうつるなんて気にならなかった時代の方が幸せだったのかも知れません。医学が進み、ほんの少しですけどいろいろ解明されてきました。感染症などは感染源の解明が急ピッチで進んでいます。情報過多の時代、正確な情報を得ることが大切です。動物を飼うヒトは、やはり気になります、『先生?これってうつりますか?』

    飼主さんと接していて、驚くことがあります。
    ペットから家族に感染症がうつるのを心配することは理解できますが、"心臓病"や"腎臓病"といった生活習慣病的な病気を真剣な顔をして、『うつりませんか?』と質問するのです。いくら"国民総潔癖症"といってもこれには閉口します。
    これは極端な例としても、動物の病気は、なじみが薄く診断名も聞きなれないので、どの病気が共通感染症で、どの病気が動物特有の病気か、飼主さんに勉強してもらう必要がありますし、我々獣医師も誤解がないようにお話しなければいけません。

    イラスト『先生?これってうつりますか?』の質問で代表は何と言っても、ネコエイズです。エイズと聞いて『不治の病』『伝染病』というイメージがあるからでしょう。
    アメリカでは働き盛りの死因の上位に位置しています。また、アフリカの一部の地域では国民の30%以上も感染していると報告があります。対岸の火事で見ていた日本でも、輸血製剤やSTD(性行為感染症)として、先進国の中では感染率が増加傾向になっています。
    ネコエイズは1986年の発見当時も我々専門家でもうつるか、うつらないかが大問題でした。
    話はそれますが、動物からヒトへうつる病気かどうかどうやって確かめるかご存知ですか?たとえば、ヒトの病気が動物へうつるかどうかは、感染実験を行います。ヒトの感染症を動物に感染させて反応を見るのです。動物には気の毒ですが、ヒトを守るために行います。しかし、動物からヒトへの感染を疑う感染症はどうでしょうか?動物に感染させたのと同様にヒトに感染実験を行うわけにはいきません。この場合は、"疫学調査"といって膨大な数の接触事例を集めて、感染した形跡があるか調べるのです。ネコエイズを飼育しているヒトの血液やエイズ患者がネコを飼育していて、そのネコがネコエイズに感染しているかと。その結果、1980年代後半にはネコエイズとエイズは近縁だがヒトからネコ、ネコからヒトへは感染が起きないとわかりました。
    ネコエイズはヒトにはうつりませんが、同じネコ科の動物にはうつります。1997年に長崎県対馬の特別天然記念物のツシマヤマネコにネコエイズウイルスが感染していることがわかりました。本来、ツシマヤマネコにはもともとネコエイズがないことから、近隣の家ネコからの感染が疑われています。野生動物と境界線に済んでいるペットは今後、生態系の観点から問題になるでしょう。
    イラスト他にはネコカゼやイヌのケンネルコッフ(咳を中心とするカゼ様症状)はヒトのカゼに似ていることからよく質問が来ます。どちらもヒトには感染しませんが、ネコ同志、イヌ同士では空気感染しますので、注意が必要です。
    共通感染症の知識を持って接すれば、ふつうに飼われているペットの共通感染症は怖いものではありません。知識なく大騒ぎすることが、恐ろしい結果を招きます。不安な時は、ホームドクターに相談されるとよいかと思います。
    しかし、輸入された動物や野生の動物の場合は、感染していないという保証はどこにもありません。検査診断施設も数少ないので、十分な観察を行い、体調に変化を来たしたら医療期間と相談して下さい。



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