 |
| HOME>動物由来感染症>人から>結核 |
 |
 |
結核【Tuberculosis】 |
| キーワード |
サル、喀血、咳 |
| 病原体 |
結核菌 |
| 感染動物 |
サル、ウシ、シカ |
|
[動物の症状] 削痩(※1)、咳
[敵を知る]
結核はかつて最も死亡率の高い伝染病として恐れられてきましたが、薬の発達により死亡率は減少し、発生率も一時は減少してきました。しかし、先進国の中で日本は唯一、結核が増えて問題になっています。老齢層、貧困層と栄養不足の青年層で増加しています。
結核は結核菌患者のクシャミやセキなどによって感染する慢性消耗性疾患(※2)で、特に人型結核と牛型結核は衛生上とても重要です。ヒトでは結核予防法、ウシでは家畜伝染病予防法で感染の拡がりを防いでいます。
ウシの結核はツベルクリン検査(※3)による摘発・淘汰(※4)を行うことにより、結核の感染率は0.01%以下と極めて少なくなっています。
ヒトの結核の発生は近年、高齢者や免疫力が低下している人がかかり社会的問題となっています。また、ペットや野生動物にも感染し、新たな感染源になる可能性もあります。1991年に養鹿場の食肉用のシカに結核の集団発生がありました。
また、まれに結核菌に汚染された乳製品から経口感染することも報告されています。 野生サルでは自然感染例はみられず、捕獲後人間社会と接触して初めて感染します。輸入サルの結核は、検疫時にツベルクリン検査3)を行い安全を確かめています。
[病原体データ]
感染から症状が出るまで数ヶ月かかったり、診断にも時間がかかったりしましたが、近年、遺伝子診断法が確立され、検査が短縮され短期間で診断できるようになりました。
しかし、治療に関しては長期に投薬する必要から耐性菌が出現しやすく注意が必要です。 ヒトに近いサルでは、繁殖施設の飼育係りから感染を受けたり、個体識別のために行う入れ墨器で感染したりします。
[症例]
1991年11月に、シカ41頭飼養する養鹿場で、数カ月前から神経症状の出ていた成雌シカ1頭が死亡し原因追求のために解剖を行いました。肺および腸に結節を認め、細菌学的検査も実施しました。細菌学的検査の結果、ウシ型結核と診断されました。さらに農場の飼養シカ全頭にツベルクリン検査を実施し、40頭中2頭の陽性シカを摘発しました。
近隣の農場で、ウシ型結核は発生しておらず、どこから侵入したかは断定できませんでした。
[予防]
ヒトではBCGワクチンの接種で予防していますが、動物にはありません。
感染は認められたが、症状が出ていない結核患者も予防的に治療を行います。
家畜はツベルクリン検査で陽性と判定されたら、殺処分です。
[治療]
家畜では治療を行っていません。
ヒトでは抗結核薬を使用し治療します。

| (1) |
削痩 : 病的に痩せること |
| (2) |
慢性消耗性疾患 : 長患いで徐々に弱っていくこと |
| (3) |
ツベルクリン検査 : ヒトは上腕部、ウシは尾のつけ根、サルは上まぶたに接種して検査 |
| (4) |
摘発・淘汰 : 検査して感染していたら治療せずに殺処分すること |
|
|
|
|