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  • 赤痢【Shigellosis】

    キーワード 海外、サル、血便
    病原体 赤痢菌(※1)
    感染動物 サル

    [動物の症状] 粘血液便、発熱、腹痛

    [ヒトの症状] 粘血液便、発熱、腹痛

    [感染経路] 経口

    [敵を知る]
    日本の赤痢患者数は、終戦直後には、年間10万人を超え、毎年2万人近くの人が死亡しました。しかし、衛生環境の改善と栄養状態の改善により、発生数は1965年半ば頃から急激に減りはじめ、1974年には2,000人を割り、以降1,000人前後になっています。
    近年、ヒトの発症例は主にアジア地域からの輸入感染症(※2)として問題となり、発生数の半数以上を占めています。しかし、ここ数年の国内発生例としては、赤痢菌に汚染された井戸水を飲んだり、赤痢菌に汚染された食品を食べたりして、集団食中毒のように集団でかかることが多いです。
    ヒトと接触のない野生のサルは、赤痢菌をもっていないといわれています。赤痢は元来、ヒトだけがかかる病気で、サルがヒトに飼われるようになってから問題となってきました。 外国のサルが繁殖施設でヒトから赤痢菌に感染して、日本に輸入され、日本で赤痢を発症したりヒトに感染させたりします。
    赤痢は感染症新法(※3)という法律の2類感染症という部類に分類され、ヒトでは保健所を通して厚生労働省に報告が義務付けられています。サルでは輸入時に5週間の検疫を受けることになっているので、正しく輸入されたサルについては危険はありません、しかし、密輸で入国したサルの売買が行われている現状を考えますと、注意が必要(※4)です。

    [病原体データ]
    感染後、1〜5日で赤痢菌が作り出す志賀毒素により下痢が起こります。赤痢は排泄物に多量の赤痢菌を排出し、ごく少量の菌でも感染します。東南アジアやインドで生水を飲んで感染する日本人旅行者が目立つようになりました。

    [症例]
    1979年〜1987年に輸入された野生カニクイザルの赤痢菌保有率は10%と高く、問題となりましたが、その後、きちんと育成繁殖されたサルを輸入するようになり赤痢菌の保有率は下がりました。しかし、"ゼロ"にはならず、無症状の赤痢菌保有サルが発見されるようになりました。現在では、検疫中に無症状でも治療を行うようになり、一般の飼育サルから赤痢菌が出ることはなくなりました。

    予防]
    感染流行地では、生水を飲まないこと、サル類を触ったあとは十分手を洗うことで予防できます。

    [治療]
    ヒトもサルも抗生物質で治療可能です。


    (1) 赤痢菌 : 学名のShigella(シゲラ)は北里研究所の志賀潔博士の発見にちなんで命名された数少ない日本語由来の学名、その毒素を志賀毒素という
    (2) 輸入感染症 : 海外旅行などで感染したり、海外の食品や輸入品などから国内に持ち込まれ国内で発生すること
    (3) 感染症新法 : 感染症を重要度に基づいて1類(かなり危険)から4類(発生数の報告のみ)まで分けた法律、赤痢は2類感染症で上から2番目に重要な病気
    (4) 注意が必要:正しく輸入されたサルでも、密輸された感染サルと同居させた後の販売の可能性があるので手放しで安全宣言が出来ない
      

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