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    牛海綿状脳症BSE【Bovine Spongiforme Encephalopathy】

    キーワード プリオン、脳、運動失調
    病原体 プリオン
    感染動物 ウシ、ヒツジ、ヤギ、ネコ(※1)

    [動物の症状] 行動異常、運動失調

    [ヒトの症状] 感覚異常、運動失調

    [感染経路] 経口

    [敵を知る]
    牛海綿状脳症(BSE)に汚染された脳脊髄神経などを食すと、数年後に歩行困難などを始めとする症状が出て、のちに死亡します。『狂牛病』という言葉は、このおかしな歩き方を見て、イギリスのマスコミが『Mad Cow Disease(意訳:狂ったウシの病気)』と伝えたことから呼ばれるようになりました。その後、狂っての行動ではないことが確認され正式名称の牛海綿状脳症(BSE)と呼ばれるようになりました。
    牛海綿状脳症(BSE)は1986年に初めてイギリスで確認されました。現在までヨーロッパを中心に18万頭のウシで感染が確認され処分されています。もともと草食獣であるウシにどうして感染が広がったか調査した結果、仔牛の代用乳(※2)に牛海綿状脳症(BSE)に感染した肉骨粉2)が混入し、爆発的に拡がったことがわかりました。その調査からイギリスでは1988年には家畜への肉骨粉(※3)の使用を禁止しました。
    しかし、症状が出るまで5年から6年もかかるので牛海綿状脳症(BSE)の重大性を認めていない国では肉骨粉3)の輸入禁止の制限までは行わず、仔牛へ肉骨粉3)入り代用乳を使用しないように勧めるのみでした。肉骨粉3)を仔牛に使用しないように勧めても、値段の安いニワトリ用や養魚用の肉骨粉を仔牛の代用乳として使用する酪農家はあとを絶ちませんでした。
    その後、WHO(世界保健機構)はイギリスを中心にヨーロッパで100名以上の牛海綿状脳症(BSE)のヒトへの感染を確認し、1996年にヒトへの感染の危険性を警告しました。 時すでに遅く、1996年の時点で感染国からの肉骨粉の輸入禁止をしても、感染はヨーロッパを中心に世界に拡がっていました。日本は厳しい輸入制限や代用乳への転用を規制していなかったので、2001年に牛海綿状脳症(BSE)が発生してしまいました。
    現在、日本国内では、全てのウシの牛海綿状脳症(BSE)の検査を行っています。
    ヒトからヒトへの感染は、現在のところ確かめられていませんが、厚生労働省は血液製剤の安全性を考慮し、英国で半年以上の滞在歴のあるヒトからの輸血および臓器移植は行っていません。


    [病原体データ]
    感染源のプリオンとは核酸を持たないタンパクで熱や消毒薬に対してたいへん強く、煮沸消毒や一般的な消毒薬では死滅しません。現存する感染性物質の中では最強といってよいぐらい強い物質です。感染すると数年で脳に空胞が目立ち、顕微鏡でスポンジ状に見えることから、海綿状脳症と命名されました。

    [症例]
    ヨーロッパで飼いネコの原因不明の運動失調が連続して起こりました。調査の結果、牛海綿状脳症(BSE)に汚染された材料で作られたキャット・フードからの感染であることがわかりました。現在、日本では感染国からの輸入は禁止しています。

    [予防]
    感染臓器(脳、眼球、脊髄、骨髄、末梢神経、回腸)を食べない。

    [治療]
    不可能


    (1) 感染動物 : 現在のところヒト、ウシ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ミンク、マウスで感染確認
    (2)  代用乳 : 母牛からの牛乳は、人用の牛乳として販売し、仔牛には人工的に作った栄養液を与えた、そのタンパク源として肉骨粉を使用した。
    (3)  肉骨粉 : 販売できない"くず肉や骨"のリサイクルとして、粉状にして家畜の餌として使用
     

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