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Q熱(コクシエラ症) |
| キーワード |
謎の病気、発熱、倦怠感、ペット、家畜 |
| 病原体 |
コクシエラ菌(※1) |
| 感染動物 |
家畜、野鳥、野生動物、イヌやネコ、ダニ類 |
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[動物の症状] 無症状、死流産
[敵を知る]
10数年前までは、日本にQ熱は存在しないと考えられていた時期がありましたが、最近の研究で色々な病気との関連性があるのではないかと疑われてきています。その後の調査でヒトにも動物にも感染がおきていることがわかってきました。たとえば、体がだるくて学校にも行かれない、怠け者だといわれ続けていたのに、病院で検査したところQ熱の感染がわかり、治療したためにすっかりよくなったという例もあります。
外国では、家畜やペットを介した集団発生が起きたりしていますが、日本ではこのようなことは起きていません。しかし、だるさや微熱が続くといった症状がある人の中の一部に、Q熱の原因であるコクシエラ菌が潜んでいるようです。Q熱は、感染していることがわかれば、抗菌薬で治療ができるので怖い病気ではありません。また、ヒトからヒトへうつることはないと考えられています。では、どうやってヒトに感染するのでしょうか。ウシやヒツジといった家畜が多く感染していることは以前からわかっていましたが、家畜との接触がない人にも感染していることから、ペットからの感染が考えられるようになりました。そして日本でもイヌやネコの検査が行われ、10〜15%が過去にかかったことがあることがわかり、ペットからの感染があるのではと考えられています。
ヒトと同じように、ペットも抗菌薬で治るので、心配であれば動物病院で検査をしてみるのもよいでしょう。
[病原体データ]
コクシエラ菌は非常に強く、乾燥状態でも長く生き続けます。また、ダニなどの節足動物を介さないで直接菌を吸入したりして伝播されます。
ヒツジ、ヤギ、ウシなどの家畜、野鳥、野生動物、イヌやネコ、ダニ類など、多くの動物がQ熱の病原体をもっています。コクシエラ菌に感染した動物の糞便や尿などの排泄物、乳汁、分娩した際の胎盤などには多量のコクシエラ菌が存在します、その汚染された環境から、含まれている病原体を吸うことによってヒトは感染するといわれています。また最近では、非殺菌牛乳や、チーズなどからも病原体が見つかったとの報告もあり、食べたり飲んだりすることによって感染する可能性も秘めています。ヒトからヒトへの感染はごくまれとされていましたが、口腔内から菌が分離された報告もあるため唾液による感染の可能性も考えられ、さらには性行為による感染の報告もあり、ヒトからヒトへの感染の可能性も捨てきれません。
ヒトの場合、急性と慢性期に分かれます。急性Q熱では、2〜4週間の潜伏期(※3)の後、39℃前後の高熱がでるのが典型的で、高熱のほかに微熱の持続、全身倦怠感、リンパ節の腫れ、呼吸器症状、肝機能障害、髄膜炎など、その症状はさまざまです。慢性Q熱の場合、心臓に障害を起こす例が外国では主だと考えられていますが、日本では長期に渡る疲労感、不定愁訴2)の方が多く見られます。
やる気が起きないQ熱の症状と慢性疲労症候群と関係しているという報告もあり、注目されています。
動物の場合は、感染していても無症状の場合が殆どですが、妊娠している動物には死流産の原因となる可能性があります。
[症例]
17歳女性。以前より健康には自信があり明朗活発に過ごしていましたが、ある日カゼを引いたような症状の後、なかなか治らず、その後全身倦怠感も続き、学校を休みがちになりました。いくつかの病院で診てもらっても、診断がつきませんでした。また他人には登校できないだるさがわかってもらえず、怠けているだけと思われてしまい、とうとう休学するに至ってしまいました。その後ある病院で検査したところQ熱に感染している事がわかり、治療を開始すると今までの症状がなくなり、以前のような元気を取り戻しました。また、お母さんと弟、そして飼っていたイヌを検査したところ、イヌも感染していて、イヌからの感染が疑われたため同時に治療をしました。
[予防]
具体的な予防策は今のところありませんが、動物から感染することを考えた場合、過剰な接触をさけましょう。動物と触れ合ったあとは、必ず手を洗う、口移しでえさをあげたりしないことが大切です。
オーストラリアではワクチンがありますが、日本では使われておりません。
[治療]
ヒトも動物も、血液検査してみなければわかりません。わずかな血液で検査は可能ですが、現在検査できる検査センターは少なく、早急な対応が急がれます。
検査の結果、感染していることがわかったら、急性の場合は、殆ど自然治癒すると考えられていますが、抗生物質を服用することで、発熱期間を短くして治りを早めます。服用を止めるとまた熱が上がる事もあるので、完治するまではきちんと薬を飲みましょう。慢性の場合は、長期に渡って薬を飲む必要性があり、急性のような効果は期待はできません。しかし、感染していても検査、そして治療によって必ず治る病気です。

| (1) |
コクシエラ菌:ウイルスと細菌の中間の性質をもつ微生物 |
| (2)
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はっきりしない症状 |
| (3) |
潜伏期:感染してから発症するまでの時間 |
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