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  • クリプトコッカス病 【Cryptococcosis】

    キーワード カビ、免疫不全、ハト
    病原体 クリプトコッカス菌
    感染動物 ハト、ネコ

    [動物の症状] ハト : 無症状
      ネコ : 無症状、呼吸器症状、神経症状


    [ヒトの症状] 肺クリプトコッカス症 : 発熱(軽度)、胸痛
      クリプトコッカス髄膜炎 : 中枢神経症状、死亡

    [感染経路] 吸入

    [敵を知る]
    クリプトコッカス菌は、ハトの蓄積した糞の中で増殖したり、止まり木に付着しています。ハトの糞が乾いてまい上がり、それが呼吸とともに、ヒトの肺の中にクリプトコッカス菌がとりこまれます。そのように感染し、肺に軽い病巣をつくる軽い病気です。しかし、免疫不全の患者でごくまれに中枢神経に感染して髄膜炎や脳炎をおこします。
    しかし、HIV感染症の患者や臓器移植後の免疫抑制剤使用者など、免疫力が低下した人が、日和見感染症的にクリプトコッカス菌に高率に感染します。そのような人には、中枢神経に病変をつくり、しばしば致死的になります
    平和なイメージなハトも、HIVの患者さんの様な免疫力の低下した人にとっては、命取りになることに関係しているということも、知っておきましょう。
    なお、ネコエイズ(FIV感染症)に感染しているネコも同様に、この病気にかかります。ヒトの日和見感染症と同様の症状を示すため、ハトとの接触と絶ち、室内で飼う事が大切だと思われます。

    [病原体データ]
    クリプトコッカス菌はカビの一種で、土壌中に広く分布しています。鳥類の堆積した糞に含まれている窒素成分を栄養源にたいへんよく増殖しますが、トリの体内は哺乳類より体温が高いため、感染も増殖もしません。トリではクリプトコッカス菌が増殖出来ないので、物理的にばらまいたり運んだりする点で重要です。ヒトや動物は糞便の粉塵を吸入することにより感染します。健常者にはほとんど感染しませんが、免疫不全や免疫力の弱いお年寄りは容易に感染します。その症状が出るまでの期間はバラバラです。
    またこの菌は、呼吸器に感染後、神経組織に移動して髄膜炎、脳炎などを起こします。

    [症例]
    くしゃみと鼻汁のなかなか治まらない8歳のネコが来院しました。一般的な抗生物質を処方して、様子を見ましたが、日に日に悪化していきます。そして鼻を中心に顔が腫れあがったので、大学病院で精密検査を受けました。結果はネコエイズによる免疫不全症とクリプトコッカス症でした。免疫の状態は最悪で、ほとんど抵抗力がありませんでした。抗真菌薬や対症療法を施しましたが、残念ながら神経症状の出てきて助けることは出来ませんでした。
    ヒトのエイズでもクリプトコッカス症に感染する機会は増えてきています。

    [予防]
    体力、免疫力の低下した人は、ハトの近くに近寄らない。
    このような患者さんが入院しているような病院の近くでは、ハトが寄らないよう、エサをあげたりしない。

    [治療]
    肺クリプトコッカス症は軽症の場合、治療を必要としない。
    クリプトコッカス髄膜炎は抗真菌剤の投与。
     

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