みずほ台動物病院 ホーム お問い合わせ サイトマップ
HOME動物由来感染症輸入動物から>オウム病
動物由来感染症
輸入動物から
  • サルモネラ症
  • 野兎病
  • 狂犬病(海外偏)
  • 回虫症
  • レプトスピラ症
  • Q熱
  • 疥癬症
  • パスツレラ
  • ブルセラ症
  • オウム病
  • 皮膚糸状菌症
  • ペスト
  • エボラ出血熱/
     マールブルク病
  • 小型条虫症
  •    


    オウム病 【Psittacosis】

    キーワード トリ、呼吸器疾患、粉塵
    病原体 オウム病クラミジア
    感染動物 トリ、(オウム、セキセインコなど)

    [動物の症状] 無症状、羽毛逆立、下痢

    [ヒトの症状] 発熱、咳、肺炎、筋肉痛

    [感染経路] 飛沫、経口感染

    [敵を知る]
    2002年1月に起きた島根県松江フォーゲルパーク(市営動物園)で、オウム病の集団発生が起きました。原因は、病原体のオウム病クラミジアを含んだ糞便などを飼育係りが清掃する際に高圧洗浄機でまき散らしたためだろうと考えられています。これは、一般家庭でも気をつけなくてはいけません。もし飼っているトリがオウム病の病原体オウム病クラミジアを持っていたら、糞便に混じって出てきます。その糞便が原因となって、感染する可能性があるため、鳥カゴを常に清潔に保つことが大切です。このようにヒトは、オウム病に感染しているトリの排泄物から、病原体のオウム病クラミジアを吸うことによって感染しますが、餌を口移しで与えやり、またトリに咬まれて感染することも希にあります。
    飼い主がこの病気を正しく理解していれば予防できる病気ですし、適切な治療を受ければ治療可能な病気ですので、むやみに怖がることはありません。

    [病原体データ]
    オウム病クラミジアは、オウム・インコ類、家禽、野鳥と幅広く鳥類に感染しています。
    原因菌のクラミジアとは細菌とウイルスの中間的な病原体で、生きた細胞の中だけでしか生きられない性質を持っています。オウム病クラミジアはトリからヒトに感染しますが、同属のヒトに結膜炎を起こすクラミジア・トラコーマや生殖器クラミジア、肺炎を起こすクラミジア・ニューモニエはヒトからヒトへのみ感染し、その感染にトリは必要ありません。
    オウム病で問題となる鳥の種類は、オウム・インコ類で、その約1/3がセキセインコでした。トリからヒトへの感染で重い症状を起こす種類として重要な順に、オウム・インコ類、ハト、シチメンチョウ、アヒル、フィンチ類(十姉妹やカナリアなど)、野鳥、そのほかとなります。
    オウム病は成人が発症することが多く、子供への感染は比較的少ないと言われています。
    ヒトが感染した場合、1〜2週間の後、突然の発熱と咳がでて、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などインフルエンザに似た症状が起きます。こじらすと呼吸困難、重症肺炎、髄膜炎をおこして、死に至ることもあります。一般的にカゼの時に使用する抗生物質(ペニシリン系など)は、オウム病クラミジアには効きません、トリを飼育してヒトにカゼ症状が出てトリの具合も悪かったり、死亡したりしていたらそのことを医師に告げることは大切です。
    トリが感染した場合、さえずり、おしゃべりなどの元気がなくなり、また食欲もなくなり痩せてきます。さら、下痢をおこしたりします。死んでしまう場合もあります。
    症状がひどい時のトリの糞便1g中に1万個〜1億個のオウム病クラミジアが排泄されています。
    1980年から1987年の調査で、輸入直後に死亡したインコ・オウム類の検査で66%もオウム病クラミジアが検出されました。また、国内の繁殖施設で販売前に死亡したセキセイインコの検査でも36%のオウム病クラミジアが検出されました。小鳥店で展示販売中に死亡した小鳥類の検査でも10%のオウム病クラミジアが検出されました。
    家庭で死亡した小鳥類の検査では27%のオウム病クラミジアが検出されています。
    このように国内の愛玩鳥に広く浸潤していることがわかりました。
    愛玩鳥の次ぎに問題はハトです。アメリカ合衆国では約50%、ベルギーでは58%、オランダでは22%に過去に感染した形跡がありました。
    欧米ではオウム病患者は増える傾向にあります。
    日本では全国5地区で調査が行われ15%〜53%(平均32%)のハトに過去に感染した形跡がありました。ハトは広い範囲で行動し、不特定多数のヒトに接する可能性がありますので、今後注意が必要です。

    [症例]
    2002年1月島根県松江市松江フォーゲルパーク内で、来園客と飼育係の計8名が、園内飼育展示されていたトリが原因と考えられるオウム病が集団発生しました。園内飼育鳥について感染経路を調査した結果、温室内清掃に使う高圧洗浄機の水の噴射により、糞便中に含まれている病原体のオウム病クラミジアが撒き散らされ、感染を拡げた疑いが考えられました。専門家による調査が終了するまで、園は閉園しました。最終的には来園者11名と実習生を含む従業員5名の計16名の感染者がでました。その後、適切な検査と治療予防策を行い3ヶ月後には再び開園しました。

    [予防]
    過剰な触れ合いはしない、口移しでえさなどを与えないことです。トリにさわったら必ず手を洗いましょう。乾燥した糞便から空気中に病原体が漂い、吸い込みやすくなりますので、鳥かごはよく掃除して清潔にして、糞便もなるべく早く片付けましょう。また、糞便でオウム病の検査を行うことが出来ます。

    [治療]
    ヒトもトリも抗生物質で治療が可能です。トリの調子が悪くなった時にヒトがカゼのような症状が出た場合は、医師へそのことを告げて下さい。 トリの場合、抗生物質を30日〜45日間投薬します、そして検査でオウム病クラミジアが糞便から出なくなれば終了です。

     



    前のページに戻る

    動物由来感染症とは?
    猫から
    輸入動物から
    野山で
    海外で
    うつらない動物の病気
    犬から
    ウサギ・ハムスターから
    鳥から
    家畜・畜産物から
    人から
    予防するには?
    copyright