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◆猫からうつる
ネコの歴史はイヌ(2万年前)よりもずいぶん新しく、4000年前のエジプト時代からといわれています。当時のネコは、穀類貯蔵庫を荒らすネズミを駆除するために飼われていました。また、エジプトの壁画に描かれているように、神聖な動物として崇められていました。どうして崇められていたのでしょうか?
それは猫の瞳が、太陽光に反応して鋭敏に動くこと、また、闇の中で物を見ることができることは、夜、太陽がネコの目を通して下界を見るためだと考えられたのでネコ崇拝が生まれたのです。そのエジプトのネコはシルクロードを伝わり、仏教の伝来ともに、日本に輸入されました。船に乗せられた理由は、教典がネズミにかじられるのを防ぐためということです。
別経路で、貿易商人などによってヨーロッパ方面に広まったネコは、ペストで問題になるネズミ駆除で活躍しましたが、中世時代に、奇妙に動く瞳、歩く時に音も立てない、闇で目が光るなどが魔性や魔女と結び付けられ、悪魔の化身として迫害されていた不幸な歴史もありました。その後、イギリスの世界進出に同乗し18世紀にはペットとしての位置が確立して、全世界に広まっていきました。不思議なことに、『イソップ物語』や『聖書』、ギリシア、ローマの古典にネコの記述が全くないことからもエジプトから広まる以前は、ヨーロッパにはネコの存在は無かったのかもしれません。
日本においては、江戸時代に、ネコは広く庶民に飼われ、今のような家ネコとなっていました。トリマーの元祖のようなネコの蚤取り屋も現われました。
江戸時代からノミは厄介物だったのですね。
春先から晩夏にかけては、ノミやダニの外部寄生虫の時期です。特にノミは今でも厄介者で、梅雨に雨が多い年には大発生します。神経質なネコは、痒さのあまり皮膚を舐め壊し、毛が抜け、ひどい時には皮膚を噛んで傷をつけてしまいます。
そんなTさんが来院しました。チビちゃんは皮膚が赤くただれて痒そうを通り越して痛そうです。診察台の上でチビちゃんの毛の流れと逆になでると、ノミの糞が黒く、ゴマのようにたくさんあり、数十匹のノミが大急ぎで隠れ散る状態でした。診てるこちらまで痒くなる光景です。今はとてもよく効くノミ駆除剤があります。それを処方してチビちゃんの体のノミは退治してもらい、家に潜んでいるノミの予備軍の幼虫は薫煙タイプの害虫駆除剤を薬局で購入して1〜2週間隔で数回、駆除してもらうように指導して帰ってもらいました。よく見るとTさん(女性)の足は、何ヶ所もノミに刺され赤く跡となっていました。
虫刺されの中でも、ノミの刺され跡はとても痒く後を引き、痒みが取れても赤黒く数ヶ月残ります。これから夏に向かい気の毒だなぁと思う一幕でした。
このようにネコの共通感染症は、日本では空気感染するものはほとんどなく、ネコ回虫やトキソプラズマの糞便、ネコひっかき病やパスツレラ症などの引っかき傷、皮膚糸状菌症など接触してうつるパターンが多いのが特徴です。よって予防方法も糞便を触らないこと、引っかかられないようにして、傷がついたら直ぐ消毒することと意外に単純な方法で防げます。
最近話題によくのぼるQ熱は、動物が症状を示さないので動物からの発見は大変困難です。 感染経路も詳しく解明できていないのが現状です。空気感染や接触感染が疑われていますので、家族の方に倦怠感や疲れやすい、やる気が起こらないなどQ熱を疑う症状がある場合は、検査をした方がよいかもしれません。
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