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    ◆犬からうつる
    2万年前からヒトとイヌは共に暮らしていました。
    イラスト 始めは、ヒトが狩をした後のおこぼれを狙っての接触でした。そして、時間をかけてその距離は縮まって来ました。一説によると母親を無くした仔イヌから育てたのが最初とも言われています。群れ行動を取るイヌはリーダーには、忠実です。そのように育てられたイヌは、ヒトを危険な動物から守ったり、暖を取ったり、時には飢えをしのがせてくれました。そうして2万年も付き合ってきたのです。
    イヌからうつる病気のことを考えると、飼う気も失せますが、ヒトはそう考えながらも2万年もイヌと付き合って来ました。
    飼う気も失せるような病気の代表は、なんといっても“狂犬病”です。1957年以来、日本では発生がなく、過去の病気と思われがちです。しかし、お隣の中国やその向こうのインドではかなりの数の発生があり、死亡者もかなりの数になります。
    そういった国の人は、イヌを飼わないのでしょうか?
    いや、逆に町じゅうにたくさんいます、それも繋がれていない状態で。
    不思議だと思いませんか?
    あのイヌに噛まれたら“死ぬかもしれない”と思うイヌが、近くにいるのですから・・・ 日本では考えられないことです。

    イラスト2万年の歴史の中でどうして今更、共通感染症がクローズアップされてきたのでしょう。 飼い方の形態がずいぶん変わったからではないでしょうか?
    2万年前からつい数十年前までは、イヌは家族ではなかったのです。番犬であったり、家畜であったり、保温のための道具だったのです。だから、ある程度の距離があるから共通感染症がそれほど問題にならなかったのです。
    今のインドや中国のイヌは今でもある程度の距離があります。インドへ滞在した友人から聞いた話ですが、インドではイヌがそこら中でゴロゴロしているそうです、のんびり昼寝しているイヌの写真を撮ろうと、近寄るとある程度の距離以内に侵入するとイヌはガバッと起きだして、少し離れてまた、ゴロンとなるそうです。
    ちゃんとテリトリーがあるのですね。さて、日本ではどうでしょう?
    寝食住ともに一緒です、テリトリーなんてほとんどありませんね。飼主と密着型です。
    "狂犬病"は極端な病気ですが、密着型のイヌで気をつけたい共通感染症ってなんでしょうか?
    エキノコックスという名前を聞いたことはあるでしょうか? 名前だけは知っている、北海道の病気、キタキツネの病気、ヒトがうつると肝臓癌と間違える・・・
    ヒトそれぞれ、イメージに差がありますが、共通して知っていることは、北海道でキツネとイヌが危ない病気ということでしょう。
    北海道以外に住んでいて、正確に答えられるヒトは共通感染症にかなりの“通”です。
    北海道以外に住んでいるので、知らなくてもいいと思う方は、危機意識の低い方です。
    解説は本書に譲るとして、エキノコックスは既に北海道だけの病気ではないのです。
    日本国内の移動にはイヌの検疫はありません。県や市をまたいで簡単に引っ越せます。
    調査によりますと、北海道を転出するイヌは年間約400頭報告あります、実際にはその倍近い1,000頭がぐらいが移動していると仮定出来ます。そして、エキノコックスに感染している飼いイヌの率が1%といわれているので、年間10頭は北海道から転出している計算になります。10年で100頭です。そのイヌから排泄されたエキノコックスがネズミや小動物に食べられ、それをキツネやイヌが食べたら、爆発的に増え、対岸の火事ではなくなります。
    北海道だけの共通感染症と考えられていたエキノコックスは1999年に、青森県のブタで感染が見つかりました。エキノコックスは津軽海峡をまんまと越えたのです。
    正しい知識を勉強し、自分と愛犬を守りましょう。




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